ユニセフとはどのような団体か
ユニセフについて
募金活動などで目にすることも多く、慈善活動を行っている団体であると広く認識されているユニセフは正式名称は国際連合児童基金であり、1946年12月11日に設立された国際連合総会の補助機関です。
本部はニューヨークにあり、活動目的は開発途上国・戦争などで被害を受けている国の子供の支援活動が中心であり、児童の権利に関する条約(子どもの権利条約)の普及活動も行っています。
また、物資だけの支援だけでは不十分であるため、現在は親に栄養意識の普及活動なども行うようになりました。
日本ユニセフ協会と呼ばれる団体もありますが、こちらも同様の活動を行っていますが関係性は少しややこしいです。
正式な日本の事務所は東京にありますが、これは協会との協力関係はありますが組織としては別のものです。
36か国に存在する国内委員会の1つがこの協会であり、募金活動や広報活動が行われています。
なお、日本から募金を行う場合は通常は東京事務所ではなく協会に対して行われます。
東京事務所のウェブサイトでも協力関係の説明が掲載されており、決して似たような名前を使った怪しい団体ではないので心配ありません。
募金の扱われ方
募金の扱われ方ですが、どちらに行ったかで少し違いがあるので気になるのであれば知っておくと良いでしょう。
協会に募金した場合でもいわゆる世界ユニセフにお金は渡りますが、協定によって25%は協会が自由に使うことが認められています。
募金活動を行うだけでも経費が必要になるので仕方のないものですが、協会本部の建設費や経費が高額なので不信感を持たれ、明確な根拠のないデマを流す人もいます。
必要なものであっても協会に一部でも使われるのが納得できない場合でも、街中などで普通に募金をすれば協会を渡ってしまいますが、避ける方法もないわけではありません。
日本の親善大使である黒柳徹子さんが自信のウェブサイト上で本部に送金するための募金先を掲載しており、みずほ銀行か郵便局の口座への振り込みになります。
最近までの募金の総額や振り込み件数も掲載されていますが、41万件を超え、総額58億円以上が集まっています。
この募金方法は宣伝などは全くされておらず、自分で探さなければ見つけることはできません。
経費が差し引かれると言っても協会に募金すれば本部にお金を渡すことができ、東京事務所でも募金は協会に行うようにしていますが、それでもこれだけの金額が集まることから、お金の用途に不満を持つ人が多いと考えられます。
集金力は広報の有無の影響が大きい
この口座に振り込みを行う場合、本部に送金されるものであっても公式なルートではなく、あくまでも個人が善意で行っているものである点には注意が必要です。
協会に募金したのであれば控除が適用されるので税金を少し軽減できますが、こちらは個人にお金を渡しただけになるので適用されません。
自分の金銭的負担が大きくなっても、経費で使われるのが嫌だという人だけ利用すると良いでしょう。
ちなみに集金力自体は広報の有無の影響が大きく比較にならないほどの差があるので、この面からも経費が必要になるのは妥当と言えます。
協会が出費を抑えるために活動を縮小していれば集金力も下がってしまい、支援を求めている子供を助けるための資金が減ってしまうので経費を取っていることを悪いと安易に考えるものではありません。
また、日本以外の国内委員会でも同様に集まったお金の100%を本部に送金しているところはなく、日本だけが異常なのではなく、世界的に当たり前のことです。
具体的な数字としては80%~90%のところが多く、日本でも81%なので協定に認められている金額よりも少ない額しか使っていません。
アメリカは90%と高くなっていますが、組織の構造の違いによるものです。
アメリカは広報を行わなくても手に入る政府の拠出金も国内委員会で扱いますが、日本は東京事務所で扱うので協会からの送金は民間の募金だけになるので低くなります。
アメリカと比べて無駄な出費が多いということではないので勘違いしないようにしましょう。
活動するための人手が足りないという事実がある
なぜこのような分かりにくい組織構成になっているかというと、活動するための人手が足りないからです。
職員は国連機関に所属する国際公務員になるため人数が少なく、2013年12月の時点で職員数は11675人、国際専門職以上は3089人であり、その中で日本人は86人、幹部は4人しかいません。
国内で民間から募金などで資金を集めるのであればこの人数では活動ができないため、非政府組織である国内委員会と協力関係を結んでいます。
2012年に日本から本部へ拠出された金額は1億5098万ドルであり、民間からのものとしては世界で第1位なので非常に大きな役割を果たしています。
ネット上ではお金の使い方に不満を持つ人のデマを見かけることも多いですが、日本ユニセフ協会も子供を支援するために必要な組織であり、根拠のない情報を鵜呑みにして不正を行っている組織だと考えないようにしましょう。
最終更新日 2025年5月24日 by nakojp