北極の氷は「海水面上昇」に関係ない!?井草実業はどう見る?

北極

(1)井草実業から見た環境問題の問題点とは?

こんにちは!
早速ですが、皆さんは『環境問題』、という言葉を聞いてどのようなものを連想しますか?

地球温暖化、砂漠化、酸性雨などの異常気象、野生生物の絶滅……などなど枚挙に暇はありません。
我々の前には問題が山ほど積っています。

さて、そんな中で私たちにできることは何があるでしょうか?
私は、その中の一つに「今、何が起きているのかを知っておく」というのがあると思います。

というわけで、今回は皆さんに、「何が起きているのかを知っておく」をしてもらうために、環境問題のもっとも有名なものの一つ、「地球温暖化」がもたらす「海水面上昇」について、そしてそれに関する身近な化学のマメ知識を紹介したいと思います!

※当記事は専門家である井草実業に協力をいただきました

(2)北極の氷は海水面の上昇には関係がない

地球温暖化、という言葉はよく耳にしますが、では、「地球温暖化で北極や南極の氷が解けて、海水面が上昇して小さな島国などが沈んでしまう」というような話を耳にしたことはあるでしょうか?

実際にオセアニアの島国の中には、この海水面上昇によって島からの退去を余儀なくされてしまう人々もいますし、海抜高度の低いヨーロッパの国々では将来の海水面上昇を見越して、流れ込んできた海水を海に送る灌漑技術に力を入れている人たちもいるそうです。

このまま氷がすべて解け切って海水面が上昇しきってしまった場合、東京をはじめとする世界中の都市の8割以上は水没してしまうとも言われています。

このように、海水面の上昇は、数ある環境問題の中でも非常に深刻な問題の一つとなっているのですが、実は、その原因の、「北極や南極の氷が解けて」というのは間違いなんです!

全部が間違いではないんですが半分くらいが間違いなんです!
具体的には、”北極の氷は海水面の上昇には関係がない”のです。

(3)ペットボトルに水を入れて冷凍庫で凍らすとペットボトルが膨張する理由について

一言で理由を説明すると、「南極には陸があって氷はその上に載っているのに対して、北極には陸がなく、海にある氷山のてっぺんが海面から突き出ているに過ぎないから……」という訳なのですが、これではよく分からないですよね。

説明します。
少しだけ化学のお話になりますが、とても簡単な話なので身構えずに読んでください。

実は、「水」というのはものすごく特別な物質で、その性質のうちの一つに”固体の時の方が液体の時よりも体積が大きい”というものがあります(これは世の中にある物質のなかで水だけの性質だそうです)。

基本的にあらゆる物質の体積は固体→液体→気体の順に大きくなります。
これは少し難しい言い方をすると、固体のときは密集している分子(原子)が液体、気体になるにつれ、拡散して(広がって)いくからです。

しかし、水(氷)だけは例外で、液体(水)から固体(氷)になると、その体積が膨らむ(約1.1倍)性質があるのです。
あの夏の暑い日にペットボトルに水を入れて冷凍庫で凍らすと、ペットボトルが膨張するのは、液体だった水が固体になって膨らんだからなのです。

(4)「北極大陸」という言葉は耳にしたことがない?

さて、ここで話を北極の氷の話に戻しましょう。
ここまでの話で薄々お気づきかもしれませんが、北極の氷についても、このことと同じことが言えます。

つまり、海面から覗いている氷山の一角は、海水が氷になって膨らんだ分が海面からそびえたっているだけで、それが解けだして海水に戻っても、海水面の上昇にはつながらない、というわけなのです。

ここで先ほど述べた理由をもう一度見てみましょう。
「南極には陸があって氷はその上に載っているのに対して、北極には陸がなく、海にある氷山のてっぺんが海面から突き出ているに過ぎないから」。

皆さんきっと、「南極大陸」という言葉は聞いたことがあっても「北極大陸」という言葉は耳にしたことがないと思います。
それは、南極には陸、地面があるのに北極には氷しかないからなのです。

南極の陸の上にのっかっていた氷が解けて、海に流れ込んでしまうから、海水面は上昇してしまうのであって、北極の氷は元々膨らんでいる部分だから解けてしまっても海水面の上昇にはつながらない、というわけなんですね。

(5)井草実業による環境問題のまとめ

しかし、かと言って、じゃあ北極の氷は解けてしまっては構わないという訳ではありません。
いまや絶滅危惧種の代表として挙げられるようになったホッキョクグマなど、北極に住む生き物たちは大勢います。

彼らは、とどまることを知らない地球温暖化のせいで、今この瞬間にも生きていく場を奪われ続けています。
地球が誇るこの極寒の地をむざむざ人類だけの都合でなくしてしまうことはあってはなりません。

私たち一人ひとりにできること、それはほんのわずかでいいのです。
それは例えば、「今、何が起きているのかを知っておく」くらい小さなことでも構いません。

陳腐な言葉かもしれませんが、その小さな一歩が積み重なって、周りの人との小さな一歩とかさあなり合って、そうして明日の、そしてその先の未来ができていくと、私はそう信じています。

最後まで読んでくださってありがとうございました。
あなたの未来が素敵なものになりますように。

最終更新日 2025年5月24日 by nakojp