保育士不足の真の理由とは何か

悪化している保育士の労働環境

保育士不足が日本中で問題となっていますが、その理由はなり手がいないと言うことで落ち着いている面があります。

しかし現実的にはなり手がいないのではなく、その賃金水準が低く労働量が非常に多いと言うことが問題となっているのです。この点に気づかない人も多く、根本的な解決に至っていないと言うのが実態となっています。

日本経済はバブル崩壊後長く続く不景気から現場でも完全に脱却していないと言うのが実態で、多くの企業がその不景気の時代で経験した様々な手法を景気が回復しつつある現代でもかたくなに維持していることが景気が完全に回復しない1つの要因とされています。

バブル崩壊の際に多くの企業がこれまでの好調な経済状態から一気に転落したことにより、経営危機に見舞われたことで様々な経済的資産を内部に蓄積しておくことの重大さを認識しました。

そのため、景気が回復しつつある現代でもいつまたバブル崩壊のような大きな経済危機がやってくるとも限らないと認識しており、そのために従業員に支払う給料を極力抑え内部留保を高めようとする動きが高まっています。

そのため特に生産性のない保育士や介護士などの給与水準は低く抑えられたままであり、これにより保育士のなり手が非常に少ないと言う悪循環を生んでいるのです。

さらに保育士のなり手が少ない理由にはその労働量の増大があります。現在は個人においても少ない費用で利益を最大限に栄養とする風潮が非常に強まっており、様々な業務を保育士に押し付けると言う問題もいろいろなところで発生しています。

子供を預かり子供の面倒を見るのが本来の仕事であるのですが、その他の様々な事務作業や夜遅くまで子供を預からなければいけないといった長時間労働を強いられるなど、その労働環境は年々劣悪化しているのです。

保育士不足が日本の経済にも影響を与える

本来ならば子供が好きで給料が安くても面倒を見たいと言う人が多いのですが、子供の面倒を見る以外の様々な作業が非常に多い上に、長時間労働を教えられるために自らの生活を支えるだけの仕事に就くことができず、結果として生活を維持するために保育士を止めなければいけないと言う人も非常に多くなっているのが現状です。

このような根本的な問題を解決しないことには保育士不足は改善される傾向が全く見えません。

現代は少子高齢化が進み子供の数が非常に少なくなっていることから保育施設が減少しているのが実態です。しかしその反面待機児童の問題も日本の様々なところで発生しており、親が働くことができない状況となってしまい経済的に生産性が低下するばかりでなく、様々なトラブルを発生しているのです。

そのため、保育士不足は単に保育所がないと言う子供を育てる親にとっての問題だけではなく、日本の経済を円滑に進めるために必要な労働力を得ることができないと言う大きな問題に発展しているのが現状です。

保育士不足を解消するためには様々な問題を解決して行かなければなりません。現場は様々なアプローチが考えられますがこれらを総合的に十分に検討しながら進めないとすべて片手落ちになってしまい十分な効果を得ることができないと言う結果を招くことになるのです。

しかしこれらを解消しようとしても新たな問題が発生することにより保育士不足を解決することが非常に難しい課題となっているのも事実です。

周辺住民の反対で保育所建設も難しくなっている

保育士を増やすために新たに保育所を建築しようとした場合、その立地によっては周辺の住民の反対を受けている例がいくつも報道等で報告されています。

実際に現代の保育所では治安の問題もあり親が子供を保育所まで車で送迎をするというのが一般的となっていますが、住宅地などに保育所を建設した場合自動車の団地内への流入が付近の住民にとって大きな問題となります。

神澤光朗氏には「騒音や安全面の問題、及び排気ガスの問題などその例をあげればきりがありません。加えて保育所で過ごす子供たちの声が騒音として付近の住民に受け取られ、これを嫌って反対をすると言う人も非常に多いのが実態で保育士を建築することが非常に難しいものとなっています。」と警鐘を鳴らしています

保育所を仮に増やしても保育士のなり手がいない実態はあまり変わらないと言われており、その理由は賃金水準の低さにあります。

保育士の給料だけでは生活を成り立たせることができないと考える人が多く、また労働時間が深夜にまで及ぶこともあるため生活を支えるためにパートやアルバイト等の業務を行うことができないと言う二重の問題を抱えているのです。

これらの問題を抱えながら子供の面倒を見ようとしても実際には子供の面倒を見ている時間よりも親に提出するプリントやその他の事務的な作業が非常に煩雑でこれらの問題を抱えながら子供の面倒を見ようとしても実際には子供の面倒を見ている時間よりも親に提出するプリントやその他の事務的な作業が非常に煩雑で、本来の子供の面倒を見る仕事に集中できない状態に陥ってしまうことが多いのも現在保育士の仕事が抱えている大きな問題となっています。

これらの問題を総合的に解決しない限り、保育士不足の問題は解決することが非常に難しいものとなっているのです。

※参照サイト:神澤光朗

最終更新日 2025年5月24日 by nakojp